かくれんぼという遊び

この前、久しぶりに息子たちと公園に行ってかくれんぼをした。

もう令和という時代ではあるが、やりかたは変わっていないようだった。

鬼が10秒数え、その間に逃げて、みつけるという単純なもの。

 

本当に久しぶりだった。

こんな単純な遊びをするなんて、時代は変わっても変わらんものはあるんやなぁと思って昔を懐かしみ、ほほえましく思っていたのに、

僕が鬼になって10秒を数えている間に瞬く間に不安になった。

 

え、息子たちどこまで行くん?

さすがに見つけられる範囲で動くよな?

目を離したすきに事故とかに合わんよな?

 

いろんなことが頭をよぎって、僕はずるをした。

見ているのに見ていないふりをして10秒を数えた。

 

「もういいかい?」

 

と全力でいうのも恥ずかしく、届く距離にいないこともわかっていたので、

ぼそっと言って、言ったという既成事実を作り、息子を捕まえた。

息子のもういいよは聞いていないけれども。

 

そもそも「もういいよ~!」って大声で言ったら

そっちにおるの分かってしまうやん。

ある程度予想ついてまうやん。

 

で、次は逆。

僕が逃げる。

 

いや、ほんまに見つけてくれる?

途中であきらめたりしない?

いやいや、怪しいもんじゃないです!息子と遊んでるだけですから!

 

また余計なことが頭をよぎって、

僕は自らここにいるよと言わんばかりに体の半分を木の陰から出していた。

さらには次男を長男に差し出して、居場所をアピールしていた。

 

かくれんぼなんて、

お互いを信用しきらないとできない遊びだ。

隠れている間に放っておかれたらもう二度と立ち直れないくらいに

落ち込むだろう。

そしてかくれんぼ中ではない人からすると怪しく映ってしまうだろう。

 

こんなおそろしい遊びをしていたなんて、と思った。

かくれんぼが嫌な思い出ではない人生でよかったと思う。

そして、しようというなら絶対に最後まで探すんだぞということを

息子たちには教えようと思う。